Vol.8 仙台で「三刀流」を生きる男──仕事・トライアスロン・家族が循環する、登坂孝範の豊かな時間

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登坂孝範(とさか・たかのり)

広告代理店の第一線で活躍する営業マンとして、大手から中小企業まで幅広く広告戦略やブランド構築を支援する、まさに“仙台の広告マン”。

実は登坂さんは、僕が前職でお世話になっていた直属の先輩だ。
仕事終わりに一緒に飲みに行ったり、ランチをしたり。気づけば何でも話せる存在になっていた。
中でも印象深いのは、ゴルフを始めたばかりの頃。仙台・青葉山にある青葉山ゴルフ練習場で、2人で汗だくになりながらスイングを研究した日々。

Re me センダイを立ち上げる前から、登坂さんには「地方の魅力をもっと届けられるようなことをやりたい」と、相談していた。
地元食材の話や、仙台のカルチャー、そして“地方での生き方”について。
そんな積み重ねが、このRe me センダイ誕生の原点になっている。

「いつか俺のこともカッコよく取り上げてよ」
そんな冗談混じりの会話が、今こうして形になった。

今回は、Re meセンダイが生まれるきっかけをくれた、僕にとっても特別な存在――

登坂孝範さんのストーリーを届けたい。

Screenshot

〜仙台で、登坂孝範が見つけた「三刀流」の人生。仕事も、トライアスロンも、パパも、全部やる。〜

平日はスーツ姿でクライアントと向き合い、週末はウェットスーツを着て自然と向き合う。そして、もうひとつ。畑では子どもたちと一緒に土をいじる、無邪気な“お父さんの顔”も。

仙台という街を拠点に、**広告マン・トライアスロン・ファーマー(農業)**という“三刀流”のライフスタイルを走り続ける登坂孝範さん。
その背中には、どこか余裕があって、そして柔らかさがある。

多くの人がまだ眠る、朝5時の仙台。
彼はもう、ジムのランニングマシンの上。今日もすでにギアはトップスピード。

広告代理店で働くビジネスマンでありながら、世界最高峰のトライアスロン「アイアンマン」を完走したアスリート。
そして週末は、仙台近郊の畑で家族と土に触れ、子どもたちと笑い合うパパの顔も持つ。

これが、**登坂孝範さんが仙台で描く「豊かな時間」**のかたち。

けれど彼の物語は、まだ続く。
水曜の朝には5歳の娘のために、ひとつひとつ丁寧に仕上げるキャラ弁づくり。
彼の中に芽生えている、もうひとつの“ライフワーク”のかたち。

ビジネスの最前線での戦い、限界への挑戦、自然との共生、そして、家族を想う優しさ——。
そのすべてを詰め込んだ、「仙台発・三刀流ライフ」のリアルを追った。


I. 「三刀流」を支える、朝5時の静けさと強さ

登坂孝範さんの1日は、仙台の朝5時から静かに始まる。
まだ街が眠る時間、ジムのランニングマシンの上では、すでに心拍が上がり始めている。

「人生を自分でデザインするためには、まず“時間”をデザインしないといけない。
早朝のトレーニングは、誰にも邪魔されない“自分だけの時間”なんです」

そう語る彼にとって、朝のジムでのランニングとバイクは、心と体を整えるルーティンであり、「三刀流ライフ」の礎でもある。

仙台へ移住してから、トライアスロンという競技に本格的にのめり込み、
世界中のアスリートが挑む「アイアンマン」、そして日本最長距離を誇る「佐渡国際トライアスロンAタイプ」を完走。
過酷なレースを乗り越えられた理由の一つに、彼は仙台という街の“立地力”を挙げる。

海でのスイム。
泉ヶ岳の坂道を駆け上がるヒルクライム。
そして広がる田園風景の中を駆け抜けるロングラン。

都市と自然の距離がちょうどいい仙台だからこそ、競技者としての自分を磨き続けることができた。

自然の中で心を研ぎ澄まし、自分の限界を静かに押し上げていく——


II. 「週末農業」という名の、心と身体のリセット

平日は広告代理店の営業マン。週末は、畑の中の父親に。
登坂孝範さんのライフスタイルは、ただ多忙なだけではない。
むしろ、ハードな仕事やトライアスロンといった極限の挑戦の“対極”にあるのが、仙台近郊での「週末農業」だ。

「自然の中で、家族と土を触る時間って、言葉じゃ説明できないくらい落ち着くんだよね。
トライアスロンで限界まで追い込んだ身体を、じんわり癒してくれる感じ。」

太陽の下、無心で土を耕し、野菜の成長に一喜一憂する。
そこにはビジネスも、勝敗も存在しない。
あるのは、流れる季節と、共に汗をかく家族との時間。

特に5歳の娘さんにとって、この畑は最高の遊び場であり、“本物の食育”の場。
土を掘り、苗を植え、水をあげる——そんな当たり前の営みの中で、
「命を育てる」感覚が、自然と身についていく。

夕方、採れたての野菜を囲んで家族で食卓を囲む。
その一皿には、安心や誇り、そして“生きている実感”が詰まっている。

私も以前、登坂さんからトマトやきゅうりをいただいたことがある。
採れたての野菜は、スーパーで買うものとはまるで違っていて、
新鮮なみずみずしさが、なんだか体にすっと入ってくるようだった。

そんな影響もあって、自分でも家庭用の小さなプランターでピーマンやししとうを育ててみた。
あくまで趣味の範囲で、気ままな家庭菜園だけど、日々成長していく姿を見るのは思っていたよりも楽しい。

石巻の焼き鳥屋「おのでら」で食べたししとうの炭火焼きが美味しくて、
去年の夏は、うちでも七輪を出して自分で育てたししとうを焼いてみた。
味はまだ遠く及ばないけれど、自分で育てたというだけで、不思議とおいしく感じるものだ。


III. 次なる境地へ?「四刀流」への挑戦

登坂孝範の本当の“強さ”は、水曜の朝に現れる。

広告、トライアスロン、農業。
「三刀流」で駆け抜ける日々のなかで、彼がいま最も時間をかけて向き合っているのが、5歳の娘へのキャラ弁作りだ。

「娘が笑ってくれる姿を想像すると、手が自然と動く。
卵焼きが星になって、ウインナーがタコになる。まるでお弁当箱の中で、小さな宇宙を作っている気分。」

“アイアンマン”の緻密なレースプランが、朝6時のキッチンで発揮される瞬間。
仕事や競技とは異なる“やさしさの集中力”が、家族への愛情として形になる。

実はこの“水曜のキャラ弁タイム”が、彼の中で静かに何かを変えつつある。
子どもの成長を見守る喜び、家庭というチームの一員である誇り。

「子育て」——それは彼にとって、これまでと質の異なる“挑戦”だ。
だからこそ、登坂さんは今、新たな人生のステージへと向かっている。

仕事・トライアスロン・週末農業、そして子育て。
今まさに、“四刀流”というライフワークを手に入れようとしているのだ。

家族の笑顔をエネルギーに変えて、日常を豊かにする。

強さの裏側にある、家族への深い愛情。このバランスこそが、登坂さんの人間的な魅力となっている。


IV. 挑戦が仕事と人生に還元される

──「好き」と「挑戦」が、日々の仕事に血を通わせる。

登坂孝範さんの毎日は、ただアクティブなだけではない。
トライアスロンで鍛えた「時間を制す」感覚は、広告代理店というスピード勝負の現場で、圧倒的な成果を生み出している。

「朝5時から動き出すと、気づいたら午前中だけで一日分の密度がある。
午後は周りより一歩先を行く感覚があるんです。」

鍛え抜かれた身体と研ぎ澄まされた思考。
プレッシャーがかかる提案営業の現場でも、“ギリギリを攻め抜く”タフネスと判断力が光る。

さらに週末のファーマーライフや、ローカルの仲間とつながるバイク活動を通して、仕事の枠を超えた「人との縁」も広がっている。
都市でのキャリアに、地方ならではの人間味が融合する。仙台という土地が持つちょうどいい距離感が、彼のライフスタイルに絶妙なバランスをもたらしているのだ。

「仙台は、仕事も遊びも子育ても、妥協しなくていい。
やりたいことを全部詰め込んでも、溢れない。」

働く・育てる・挑戦する・休む。
そのすべてが、リズムよく循環する暮らし。
登坂さんは、仙台でそれを現実にしている。

「好きなことに全力で挑むことが、
ちゃんと仕事や人生に還元される。」

それが、彼が語る“豊かな時間”の正体だ。


変わらず前を走る人が、教えてくれたこと

かつて先輩として背中を追っていた人が、
いまも変わらず前を走り続けている。

ただ速く走るだけじゃなく、
ちゃんと立ち止まり、家族と、土と、街と向き合いながら。

仙台で生きることの可能性を、
あらためて教えてもらった気がした。

登坂さんの生き方は、特別なようでいて、どこか現実的だ。
だからこそ、読後にこう思わせてくれる。

「この街なら、自分もできるかもしれない」と。


登坂 孝範(とさか たかのり)プロフィール
北海道出身。東京から仙台への転勤をきっかけにトライアスロンにのめり込む会社員で一児の父。24年アイアンマン制覇、25年佐渡A制覇の実績を持つトップエイジグルーパー。クリエイティブなアイデアとビジネスセンスを駆使して戦うハードワーカーだが、平日は朝5時からのトレーニングを欠かさない。週末は週末農業に汗を流す「三刀流」を実践。家族への愛情から、毎週水曜日は5歳の娘のためにキャラ弁を作る優しい一面も持つ。

マサ阪本

まさ さかもと⚫︎仙台出身。大学卒業後、東京で広告業界で制作・営業を経験。現在はデジタルマーケティング領域で活動中。 東京で過ごす中で、人、物、情報の過多により疲労感が増し、自分らしさを失いかける。一方、地元仙台にある食や自然、温泉など“資産”と呼べる価値のありがたさを再発見し、仙台にUターン。人手不足や経営難で倒産しかける飲食店やレジャー施設、地域の祭りを目の当たりにし、地方の資産を守りたいとの思いから「Re meセンダイ」を運営中。

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